−一番つらかった国は。

さっきの食べ物が辛かった国かな。赤道直下は辛いですよ。辛いものを食べて神経を刺激するんでしょうねえ。汗かいて、風が吹いたら涼しいですからねえ。

−そういうことかあ。

体が熱もつよ。それだけだったらいいけどね、トイレ行ったら「出血サービス」よ。

−あっはっはっはっはっは!!!!(大爆笑)

食べる楽しみがないよねえ。ただ、助かったのはコカ・コーラとファンタはどこにでもあるねえ。コカ・コーラ世界制覇。感謝するよ。高くってもいいよ、水なんか飲んだら大変なことになるから。コーラは体に悪いとか言うけども、ほんとに困ったときは「コカ・コーラ様!」って。自分の都合よね。自分がかわいいよ。

−そうですよね。

それから、アフリカの旅でもこんなことがあったよ。汽車がねえ、木を焚いて走るんよ。アフリカのど真ん中で、100キロぐらい北に行こうとしたわけ。そして、この汽車がねえ、1日に4本ぐらいあるって聞いてたんよ。だから、聞きにいったんよ、あと一本ぐらい残っとると思うて。なんてことはない、4日に1回じゃった。

−はははは(笑)

困ってねえ、日にちがおしとったから。そしたら若者が「来い来い」って言うんよ。何かあると思うてね、行ったよ。そしたらねえ、その村のねえ、いい家に住んどったよ。コンゴの国鉄から日本の国鉄に留学しておって、日本語がちょっと分かるわけよ。3日ぐらい後かなあ、パーティーがあってねえ、「これは日本のフレンドだ」って自慢するわけよ。みんな認めるわけよ、国鉄行っとったからね。で、「日本はすごい国だ」って、ロケットみたいな汽車があるって。新幹線ができた時よ。

−ええ、ええ。
乗ったんだねえ。すごいってわけよ。コンゴ川を船で行くでしょ、4日間。それをねえ、「たった半日で行く」ってわけよ。そりゃそうやろ?びっくりするわけよ。もっとすごいのがあるって。駅に着く度にすばらしい弁当がでてくるって。駅弁よ。

−ははは。(笑)

こりゃあねえ、すごいと思うよ。この汽車なんかねえ、昼頃になったら、2,3時間止まるんじゃから。それで木の下で休むんじゃから。そして火をおこしてみんなで作るんよ、料理を。七輪みたいなもので。こっちはカッカ、カッカ来るわけよ。もう、この汽車で夕方に着いたら、夕方からすぐ船に乗って、また、2泊3日でコンゴ川を登らにゃあかんから。これが遅れたらたまらんわけよ。また、4日間待たにゃあかんわけよ。それがみんな昼寝しはじめるから、頭に来るわけよ、コンチクショウって。それで、汽車が出発しても、変なところで止まるんよ。何するかいうたらねえ、「燃料が切れた」って。そしたら線路わきに積んである材木をみんなで積むわけよ。こっちは汽車が遅れたらあかんけえ、一番先に必死になって。アホよ。

−あはっはははっは。(笑)

とんでもないことを一生懸命やってるわけよ。これも「欲」よ。そして、汽車が出発したら、また汽車が止まるわけよ。捕物帖が始まるわけ、タダ乗りの。切符がないのはみんな汽車から飛び降りるわけ。それを取り押さえるわけよ。おいてけばいいわけよ、動物が来て食われるから。

−はっはは。(笑)

ねえ。ちょうどいい所なんよ。

−本当ですね。

それで、一番最後の車両が檻よ、オリ。それから、向こうに着いたらちゃんと船は汽車を待ってるわけよ。それを先に言うてくれたらいいのにねえ。これについて、僕はこの本で書いてるけどねえ、「日本は秒で動いてる、ヨーロッパは分で動いてる、中近東は時間だ、アフリカは日にちで動いてる」って。じゃあどれが幸せかっていったら、やっぱり人間が作った時間で振り回されたくないねえ。地球規模で生きたいねえ、どうせなら。僕はほとんど時計はしてないねえ。それに、日本ではどこでも時間はわかる。人に聞きゃあいいし。反抗よ。

−お寺のお鐘は時間通りですか?

本当は日の出とともに、日の入りとともに打つ。うちでは、6時に打ってるけど、夕方ねえ。子供が来てお経をあげて帰りますけどねえ。夕方にね。自分の誕生日にも来るよ。

−誕生日ですか?

そして、自分の誕生日を通して、お母さんのご苦労を鐘を聴くことで感じとっていこうっていうねえ、自分の誕生日を祝うんじゃあなくて。お産っていうのは命かけますからねえ。人間だけじゃあない。そういうなかで、自分が生まれてきたんだってことを、その数秒ぐらいはねえ。

−仏教っていうのは、「感謝」が大事なんですね。

つづく