ADSLとは?

 やたら雑誌や広告で見かけるようになった「ADSL」。契約しているプロバイダーからもメールで案内がきているかもしれません。もう知らない人はいないでしょう。ADSLというのは、既存の電話回線で、回線速度1Mbps〜数十Mbpsを実現できる技術です。数Mbpsの速度が出れば、動画をストレスなくインターネット上で見ることができると言われていて、具体的には放送をインターネットで見ることも可能です。回線速度の技術進歩は、ISDN(64kbps-) → ADSL(1Mbps-) 高速ブロードバンド → FTTH:光ファイバー(100Mbps-) 超高速ブロードバンドとなっています。ISDNのメリットはデジタル回線であるため、電話番号を二つとれること。2本の電話回線が存在しているイメージをしてください。具体的には電話とFAXが同時に可能です。しかし、先に書いたとおり、ADSLは既存の電話回線を使うため、電話回線としては1本しかありません。それでもインターネットと電話が同時に使用できるのは、使用する周波が違うからです。当然、同じ周波を使う電話とFAXは同時使用不可能です。

 今や、韓国はADSLによって日本を超えるインターネット先進国に急成長しました。韓国では、ハナロテレコムが99年からADSLサービス開始し、ADSLの普及と合わせて、たった2年間でインターネット利用者が6倍以上に急増。インターネットの普及率でいえば、日本の33%を大きく抜いて、韓国は55%となっています。また、韓国は、うち55%がADSLを利用し、世界有数のインターネット・ブロードバンド大国となりました。韓国における、このADSL普及の最大の理由は、月額30ドルでインターネットに常時接続できるサービスが開始されたことです。

 では、なぜ日本ではADSLの普及が遅れたのでしょうか?それは日本の通信業界の戦略性の低さ、つまりは規制緩和が遅々として進まない日本の体質に限界があると言えるのではないでしょうか。NTTの企業戦略は「ISDNの次はFTTH」というもので、ADSL事業展開に積極的ではなかったのです。かつ、民間企業のADSL事業参入も陽の目を浴びない時代が続き、他方ではNTTのFTTHの展開は停滞し、政府のITへの取組みも遅れてしまいました。市場独占の弊害の顕れのように思えます。とにもかくにも、これにより、90年代後半、日本のインターネット接続の高速化が、大幅に遅れてしまったことは事実です。

 しかし、ここにきて、ヤフーが、東京めたりっくを買収しADSL事業に参入してきました。月額2800円で高速常時接続サービスを開始予定。ヤフーの参入により、ADSLの競争が激化し、一気にADSLの普及を後押ししています。他方、政府も2005年までに、超高速ブロードバンドを1千万世帯に、高速ブロードバンドを3千万世帯に普及させる構想を持っています。NTTの独占支配により、遅れた日本は韓国に学び、韓国に追いつこうとしています。今後2、3年以内には、日本は韓国に追いつき、インターネット普及率が50%近くまで伸び、かつ動画も見られるブロードバンド社会へと急速に変化していく可能性が高いと考えれらています。