ネット視聴率
視聴率の影響力が大きいことは言うまでもありません。長嶋監督の巨人軍を辞任は一説によれば、巨人戦の視聴率低迷が引き金と言われてるほどです。視聴率は、テレビと同様にメディアとしてのインターネット上でも注目されています。テレビ局の収益源がスポンサー企業からのコマーシャル収入であるのと同様に、いくつかのWEBサイト運営者の主たる収益源は、スポンサーのバナー広告収入です。代表的なポータルサイトであるYAHOO!も、広告収入を主力とするビジネスモデルで成功してきました。実は、このホームページの1コンテンツである「びょんびょん(各国レポート)」も、小遣い稼ぎですがこれを狙っていました。就職活動で断念してサイトを閉じ、こちらに吸収することとなりましたが、広告ビジネスを成功させるにはとにかく魅力的なコンテンツを持つことだと思いました。有力新聞社のホームページは広告費でかなりの収入を得ていると聞いたことがあります。でもやはりYAHOO!などの検索サイトが強い。いや、強かった・・・
こうした広告収入を収益源とするサイトだけでなく、インターネット上で商売を展開するサイトにとっても、視聴率はサイトの価値を知る尺度として重要です。こうしたニーズを基礎に、インターネット上の視聴率データをビジネスにしている代表的な会社としてネットレイティングスという会社があります。ネットレイティングスは、1997年に日立の技術者がスピンアウトしてアメリカで創業した会社で、その後アメリカの視聴率会社ニールセンの資本が入りました。日立生まれのサイトトラッキング技術とニールセンが50年間培ってきたサンプリングノウハウがこの会社の強みです。日本法人は1999年に設立され、現在120社の顧客を抱えています。テレビ視聴率調査と同様に、モニター(パネルと呼ぶ)がデータ収集の基礎となります。全国から無作為に抽出した1万世帯の家庭のパソコンに専用の視聴率調査ソフトを組み込み、約3万2千人のインターネット利用データを収集しています。テレビ視聴率調査では「その家庭でいつどのチャンネルがついていた」までしかわかりませんが、ネット視聴率調査ではユーザーIDを割り振ることにより、「誰が見ていた」までわかります。これに顧客属性情報を加えると、データの価値が飛躍的に向上します。例えば、「このサイトを見ている人の平均年齢は24才女性」「このサイトを見ている人の平均年収は8百万円、職業は会社員、趣味は釣り」といったことまで細かくリサーチできるようになります。すると、「30代女性をターゲットとしたネット通販会社がバナー広告を出して最も効果的なサイト」を、確実な根拠をもって選択できるわけです。また、「視聴率は高いが売り上げが伸びない」「サイトに来る顧客層と売りたい顧客層にかい離がないか?」「競合他社サイトを最も利用している典型的な顧客」といった、競合他社のマーケティングデータまで簡単に入手することができます。ネットレイティングスの顧客企業は、広告代理店、ネット専業会社が中心です。特に、ネット専業会社の経営者にとっては、視聴率が経営判断の基礎となる重要なデータになってくるでしょう。
しかし、ネット視聴率会社にも壁があります。パネル3万2千人のうち、40人未満しかアクセスの無かったサイトは、統計的な精度が著しく低下するため、参考データとはなりません。また、仕事中に会社パソコンからインターネットへアクセスしているデータは、まだ収集することができません。更に2千8百万人が利用するiモードに代表されるような、携帯電話からのネット接続データも収集できていません。こうした課題を抱えながらも、クリック&モルタルを進めるオールドエコノミーが本格的にネットビジネスに進出する近い将来、こうした視聴率会社のビジネスも急速に拡大していくことになるでしょう。
最後に。YAHOO!に代表されるネット広告ビジネスは転換点を迎えています。不況により広告出稿量が減ったこと、ネット広告の効果が期待されるほどないことにスポンサーが気づき始めたこと。。。などが原因です。こうして、6月YAHOO!は、ADSL事業に進出、ADSLに使うモデム販売収益を柱とした収益構造へ一大リストラを敢行中です。