ドメイン名とは?

 「http://www.atomictaro.com」。このホームページのURLが一般のプロバイダーの名称を含んでいないことに気づいた方はどのくらいいるのでしょうか。ドメイン名(domain)というのは「atomictaro.com」の部分を言います。簡単に言うと、「インターネットの仮想世界での住所」なのです。当然、世界にひとつしかない住所で、どこの国のどの組織というのが分かるようになっています。
 例えば、waseda.ac.jpであれば、
 waseda 早稲田、ac 大学、jp 日本、という意味で、「日本にある大学で早稲田」というふうに住所を特定できます。jpは日本ですが、イギリスはuk、韓国はkrと、国によって決められています。また、coは会社、goは政府というふうに組織体に応じて種類があります。ただ、アメリカだけは例外で、国を表す部分がありません。例えば、.com(ドットコム)といえば、アメリカの会社、orgといえばアメリカの組織と、国名を識別する必要がないのです。これはインターネット発祥の国の特権です。そもそもインターネットは冷戦終了の産物であり、軍事技術が民間に降りてきたことで一気に花開いたものです。当初から、今でも実質的にはアメリカ主導ですべてが進んでいるわけです。ここらへんについては「IT革命のカラクリ」(アスキー)という本が面白いです。ともかく、アメリカでネットビジネスが普及するに従い、ネット企業はドットコム(.com)企業と呼ぶのが一般的になり、現実の社名をxxドットコムとする会社も多く存在するようになりました。

 日本のco.jpというドメイン名は、1企業1つしか取得できず、登録には会社の登記簿が必要で、費用も高い(数万円)のに対して、アメリカの.comというドメイン名は、早いもの勝ちで、国籍のとらわれず、誰でもいくつでも取得することができます。また登録費用も数千円と安いのです。そのため、ドメイン名を先に取得された企業が訴えるなど、トラブルも絶えません。インターネット先進国で自由主義のアメリカのお国柄が現れています。面白い話があります。一時テレビでよく特集をしていたのでご存じの方も多いかと思いますが、南太平洋にフィジーの近くに小さな「ツバル」という島国があります。国名に割り当てられた「.tv」の使用権を巡って、企業間のドメイン争奪戦が繰り広げられたのです。「tv」がテレビを連想させため、この権利がビジネスになるからです。結果的にアメリカ企業の落札価格は5,000万ドル。ツバルの国家予算の5倍に当たる価格です。これを元手に、年間125万円かかる国連加盟をようやくはたし、道路などの社会インフラの整備を行っています。

 ドメイン名は世界でひとつですから、管理するための世界組織が必要です。世界全体のドメイン名は、「ICCAN(The Internet Corporation for Assigened Names and Numbers)」というアメリカの非営利団体が管理しています。日本では、日本のドメイン名を「社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC=ジェイピーニック)」が管理しています。また、新しいドメイン名の種類も増えています。今までドメイン名は、英数字しか扱えませんでしたが、日本語も使用できるようになってきます。これに合わせて、昨年秋から、「日本語.com」の受付が始まりました。例えば、太郎.comといったものです。当時「山田.comや田中.comの価値はいくら?」などと雑誌に載っていたのが印象的でした。ちなみに、これは、まだインターネットで使用できないのですが、早いもの勝ちのため、取得競争が激化、企業のドメイン名がオークションで売りに出されるなど話題になりました。また、.comに対抗して、「.jp(ドットジェイピー)」(coなどがつかない)という新しいドメインも登場しました。これは、.comを使用する日本企業が増えてきた中で、日本のドメイン名の競争力を強化したい、という観点から生まれてきました。.jpは、1企業1つなどの制約がなく、費用も安く、また日本語も使用可能であるため、現在多くの登録が行われているようです。それ以外にも、「.info」「.biz」など新しいドメイン名の受付も開始されています。